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1. 個人預金額が過去最高を更新　低金利下でも流入続く

　ベトナム国家銀行(中央銀行)が発表した銀行の調達資金に関する統計データによると、2025年6月末時点の個人と法人の預金額合計は約1京5790兆VND(約88兆円)となり、引き続き増加基調を維持した。

　内訳は、個人の預金額が前年末比+8.91％増の約7690兆VND(約43兆円)で過去最高を更新し、法人の預金額が同+5.70％増の約8100兆VND(約45.3兆円)だった。

　同時点のマネーサプライは前年末比+9.32％増の1京9580兆VND(約110兆円)超だった。

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ベトナム企業詳細調査レポート

2. 週間☆アクセス数上位ランキング！（2025年09月22日～2025年09月28日）

　このコーナーでは、前週のベトナム株・経済情報（www.viet-kabu.com）のアクセス数の多かった記事を紹介いたします。

1 位 大和証券出資のSSI証券、増資で業界首位へ　株価急騰・業績堅調

　大和証券グループが出資する独立系証券会社SSI証券[SSI](SSI Securities)が、株主割当増資により証券業界最大の資本規模を目指すため資本増強を加速している。また好調な業績と株価上昇を背景に、デジタル資産分野への進出も視野に入れて成長戦略を推進している。

　大規模な増資計画

　同社は25日に臨時株主総会を開催し、既存株主を対象に最大4億1560万株を1株あたり1万5000VND(約85円)で発行する計画を承認した。割当比率は5対1、実施時期は2025～2026年を予定している。

　発行が成功すれば最大約6兆2340億VND(約350億円)を調達し、資本金は約24兆9635億VND(約1400億円)まで増え、証券業界で最大規模となる見通しだ。調達資金は証拠金取引向け融資や債券、譲渡性預金などの投資に充てる。

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2 位 ビングループ、子会社の連続高配当で最大の受益者に

　地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)は2025年、子会社のベトナム・エキシビジョン・フェア・センター[VEF](VEFAC)から総額10兆5000億VND(約580億円)超の現金を受け取る見通しだ。利益の急増を背景に、VEFが過去に例のない高額配当を相次いで実施するためだ。

　VEF、連続巨額配当で注目集める

　VEFは7月、2024年配当と2025年第1次臨時配当として額面比率435％(4万3500VND＝約240円)の、合計7兆2000億VND(約400億円)超を支払った。VICは持株比率83.32％により約6兆0380億VND(約335億円)を受け取った。

　さらに同社は2025年第2次臨時配当として額面比330％(3万3000VND＝約183円)で実施する案を株主に提案した。支払総額は約5兆5000億VND(約306億円)。VICは約4兆6000億VND(約256億円)を追加で受け取る見通しだ。これにより2025年の受取額は合計10兆5000億VND(約580億円)超となる。

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3. 今週の銘柄評価

　ベトナムKB証券(KBSV)は畜産飼料、食品・飲料、鉱山採掘、金融事業を手掛ける持ち株会社マサングループ[MSN](Masan Group)株の理論株価を1株10万4700VND(約590円)と評価し、投資評価を「買い(Buy)」とした。

　2025年業績見通しは、売上高が前年比▲2.9％減の80兆7250億VND(約4600億円)、税引後利益が同+57.0％増の3兆1370億VND(約177億円)、1株あたり利益(EPS)が同57.0％増の2073VND(約11.7円)と予想されている。

　4～6月に政府が小規模事業者向け税制を改正・強化したことで、子会社マサン消費財[MCH](Masan Consumer)の主力販路である数万軒の小売業者が高い税負担を受けた。これにより、伝統的小売チャネルの売上が減少し、MCHの収益全体に大きな圧力がかかった。

　一方、近代小売チェーンを運営するウィンコマース(WinCommerce＝WCM)は、消費者が近代的な流通チャネルにシフトする流れを追い風に、市場シェアをさらに拡大する可能性がある。

　子会社マサン資源[MSR](Masan High-Tech Materials)のタングステン事業は、中国によるレアメタル輸出規制の強化を背景に、短期的に大きな恩恵を受ける見通しだ。さらに、タングステン価格の上昇と高付加価値製品の販売増が収益を押し上げる可能性がある。

4. 編集後記

　スタッフが週替わりでお届けする「編集後記」。
　今週はベトナム人スタッフのNguyen Thanhがお送りする、「ベトナムで最も古いカトリック教会『マンラン教会(Nha tho Mang Lang)』」のお話です。

　旧フーイエン省(現・南中部地方ダクラク省)は、自然の美しさが保たれた、素朴な雰囲気の地域です。この地に佇む「マンラン教会(Nha tho Mang Lang)」は、1892年に建設されたカトリック教会で、国内でも最も古い教会建築のひとつに数えられています。

　この教会の存在を知ったのは、友人から紹介を受けたのがきっかけでした。建築様式はゴシック調で、長い年月を経た建物ならではの荘厳な雰囲気が印象的です。まだ実際に訪問したことはありませんが、機会があればぜひ足を運んでみたい場所のひとつです。

　教会の地下には、小規模ながら資料館が併設されており、17世紀に宣教師アレクサンドル・ド・ロード神父が著したカトリック教理書「Phep giang tam ngay」が展示されています。この書物は、ベトナム語による初の教理書とされ、現代のベトナム語表記法(クオックグー)の基礎にもなった重要な資料です。

　また、教会内部には、ベトナム初の殉教者であり「ベトナムの若者の守護聖人(若者たちを見守る聖人)」として知られるアンレ・フーイエン(Anrê Phu Yen)の肖像や像も安置されています。彼はアレクサンドル・ド・ロード神父の弟子であり、17世紀中頃に信仰を理由に殉教しました。その存在は、ベトナムにおけるカトリックの歴史と精神性を象徴するものでもあります。

　近年では、ソーシャルメディア(SNS)などを通じて国内外からの注目も少しずつ高まっているものの、観光地化は限定的で、教会周辺には今なお静かな空気が保たれています。とりわけクリスマスの時期には、地域住民による手作りの装飾やキャンドルが教会を彩り、厳かながらも温かな雰囲気が演出されるといいます。

　もしベトナム中部を訪れる機会があれば、こうした歴史的建築に触れてみるのも一興かもしれません。文化的・言語的な背景を学ぶうえでも、有意義な訪問となるでしょう。

photo by Nguyen Thanh’s friend
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今回は、ここまでです。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございます。
今後とも、「ベ トナム株・経済情報」をよろしくお願いいたします。